The Old Rookie ライナーノーツ

おはようございますからこんばんは!
この度は第三者目線で身内でない方にライナーノーツを書いていただきました。
作品のご参考に見てみてください!

THE OLD ROOKIE(7inch vinyl)/UMA
昨今、HipHopと言う音楽ジャンルは非常に多様化している
我々をChill Outにさせてくれるモノから、とにかく首を振りたくなるTrapまで本当に種類豊富と言って良い
そんな中で、私は未だにBoomBapが大好物であり、常に追い求めている人間の1人だ
90sからの伝統的なHipHopには心を揺さぶられてしまうモノだ
そして、私はそのDOPEな感覚をサウンド面でも精神面でも正統に受け継いだ新たな作品に出会ってしまった
その名もTHE OLD ROOKIE
フィジカルとしては7inchのRecordだ
そして、この作品をリリースしたラッパーこそ…UMA氏である
まず、このJapanese HipHopを語る上でUMA氏が一体何者なのかを知る必要がある
そこで、バイオグラフィーを簡単に紹介していきたい
UMA氏は昭和58年に兵庫県姫路市で生を受けたラッパーである
小学生の時に80年代を代表するPolitical HipHop Group・Public Enemyの影響を受け、HipHopへと傾倒していく
その後、16歳でマイクジャックを覚え、ストリートでスキルを磨いてきた
そんな彼は今も精力的に音楽活動を行なっており、その中で生まれたのが今作、THE OLD ROOKIEである
そこで、早速この作品のレコード解説に入っていきたい
まず、一曲目がリード曲のTHE OLD ROOKIE
この曲を聴いた時に私の脳内は既にニューヨーク・ブロンクスまでフライトしていた
イーストコースト全開のトラック
このビートは北海道出身、国内屈指のHipHop Group・MIC JACK PRODUCTIONのプロデューサーでもある、DOGG a.k.a.DJ PERRO氏
彼が生み出す、心臓を鷲掴みにされて、決して曲が終わるまで離してはくれない重厚感に満ち溢れたビートには圧巻の一言
そして、勿論、UMA氏のラップも冴え渡る
ローボイスの絶妙なトーンのラップが鋭いフロウと相まって、聴神経を睨みつけてくる
さらに、注目して欲しいのはリリック
とても、グッときたラインはコレ
"ずっと笑えてる奴なんて居ねぇ 
コケて気づいて付いてく知恵
 リアルを知るなら実はB面
点と点を繋げてくHIT MAN"
リアルを知るなら実はB面、間違いない
私はこれを勝手に人々の人生観と重ね合わせてしまった
人間には二面性があるわけだが、そんな中で裏が実は重要なんじゃないかと
真実のヒントは表には出ず、隠れているんじゃないかと 
そう思わせてくれるパンチラインである
他にも感情に良い意味で火をつけられるワードが散りばめられている
"ロープを捨てシールドで首くくる
いやいや、腹くくる、旅はまだ続く"
なんて、素晴らしい言葉選びなんだろう
まるでBOSS THE MCを彷彿とされるような間とワードセンス
聴き手の心をグッと引き寄せるテクニックがヒシヒシと伝わってくる
絶望を見せながらも、希望を語っているようなverseと言えよう
全体的に仲間や未来のことを描いた一曲とされているが、全てが的を得ていて感心せざる終えないナンバー
そして、二曲目はRESURRECTION
これはUMA氏のデビュー曲であり、今回は2020 Remastering Verとなっている
まず、最初に触れたいのがやはりビート
タイトなドラムに至極のピアノループのが乗っかる、シンプルだけど奥深いサウンド
初期のCommonとも類似するような耳心地
この上で純粋に言いたいことを全て吐き出したくなるのは、もはや必然
また、UMA氏のラップはこの曲でも非常にgreatなプレイを魅せている
あくまで自然体な雰囲気の節回しと、堅いライムがヘッズにセロトニンを分泌させる
当たり前だが、リリックの内容も濃厚である
"交差点の様にすれ違う人の感情
誤解と勘違いと思い込みや勘ぐり
戻すのは難しいぶっ壊したパズル
別の物が出来ると言っていたアイツ"
パズルとアイツで踏んでいたりと、ライミングも面白いのだが、やはり詩人であることは一目瞭然である
別の物が出来ると言ってたアイツ…
なんか、意味深でとても哀愁がある
その上にDOPEな表現でもある
まるで、鼓膜に言葉の銃口を突きつけられているかのような言葉選びとセンス
洗練されたビートのテンションとUMA氏のラップの素晴らしいコンビネーションが生み出されている事実に驚愕する一曲だ
そして、どんな人間でもドラマがある
それを感じさせる二曲がこの世に生まれてしまった
HipHopが量産的になってきた2020で、一体どんなラッパーがオリジナリティで立ち向かっていくのか、1ヘッズとして楽しみにしていたが、もう見つけてしまったかもしれない
UMA氏はどこまでも熱く、四大要素の精神面を受け継いだストリート性で、今のJapanese HipHopシーンに風穴を開けようとしている
この未来を変えるかもしれない事件を目の当たりに出来てない、ヘッズは確実に損しているに違いない
僕はもう既に、その損を回収してしまった
そして、これを読んでいる君もHipHopヘッズであり続ける為に、是非ともこのTHE OLD ROOKIE(7inch vinyl)を聴いて、肌で体感して欲しい
HipHopを血管に流し込んでくるような鬼才・UMA氏をこれからも追い続けていきたい
ここに、新たな形のゴールドディスクが誕生したと言っていいだろう
Writer/Gray Peter Pan

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